| 選考結果 |
| ―受賞作― 該当作なし |
| ー選考通過作品ー |
| 小松澤拓登「いってきますに守られて」 きゆら志野「空、抱く者」 今井美築「糸」 小池宮音「旋律と自由のダンス」 塩野とわ子「夏は、夜」 |
| (順不同、敬称略) |
残念ながら、受賞作を出すことができませんでした。短編小説ではなく、「朗読台本」というやや特徴的な募集企画であり、その特徴をとらえた作品がなく、受賞作として推すことができなかったのが大きな理由です。
この募集は、次回の「U35京都朗読コンテスト」課題作品になるという前提で企画したものです。つまり、不特定多数の「読み手たち」に向けて書かれていることが一つの条件となります。しかし、大半の作品からは、その「読み手たち」への意識を感じとることができませんでした。あまりに書き手側に寄り過ぎているものが多かったように思います。
作者の感情だけが書かれている(ように見える)、ただ作者の世界観の説明になっている(ように見える)、といったものが散見されました。作者はすべてのことをわかって書いていますが、読み手は何も知りません。作者にしかわからないような会話や感情の流れ、なぜこうなるのか? など、読み手にきちんと伝わってこない部分が目立ちました。
あるいは、作者のことをよく知っている読み手ならば、その意図や作風、文体、世界観を表現できるかもしれません。しかし、これは朗読コンテストの課題作品です。多くの読み手がこれらの作品を声に出して表現できるかとなると、どうしても疑問が拭えませんでした。
その中で、選考通過作として選出した応募作は、
・全体を通して文章がスムーズに流れている。
・物語に破綻や疑問が少なくまとまっている。
・地の文とセリフ部分のバランスがとれている。
といった点を評価しました。
この募集は今回限りの特別企画ですが、こうして「朗読台本」に関心を持っていただいたこと、大変嬉しく思っています。朗読という表現にはまだまだ可能性があると信じて、我々は今後も活動を続けていきます。そして、読み手側だけでなく、書き手側からも「朗読文化」がより発展していくことを願ってやみません。
ご応募いただいた皆様、本当に有難うございました。
| 一般社団法人 朗読表現研究会 池田久輝 |



